「ブルグミュラー25番」
ピアノを習ったことがある人で、この本を、子供の頃に弾いたという方は多いのではないかと思います。
一つ一つ、題名の違う25の曲。
そのどれもが個性的で、様々な表現法を持っています。
“アラベスク”
“清い流れ“
“せきれい“
”アヴェ・マリア“
“天使の声”・・・
など、どれも魅力的な曲ばかりですね。
私は、この本を子供の頃に弾く機会が無かったのですが、もし、小さい頃に出会っていたら、どんなふうに感じたかな、と思います。
のちに、これらの曲を知った後で、また新たにその魅力を感じることもありました。
一つは、映画「さよならドビュッシー」の中のお話です。
ピアノを勉強している主人公の少女(遥)が、ひどい火傷を負ってしまいました。そして彼女が回復して最初のレッスンで弾いた曲。
それがブルグミュラーの第1番“素直” でした。
ゆっくりと指の動きや音を確かめながら、少しずつ曲が流れ出していく様子に、あらためて素敵な曲だな、と感じました。
また指の練習もこんな曲を使ってしたら、きっと楽しいだろうな、と強く心に残りました。
またある時、発表会で、「ひまわりの郷」(港南区民センター)に行ったときのことです。
会場から廊下の方に、次々に演奏が聴こえました。
そのうちに、聴こえてきたのはブルグミュラーの第10番”やさしい花“でした。
よく知っている曲ですが、その音は、とくべつ一音一音あざやかで、本当に美しく響いていたのです。
同じピアノでも、音色はこれほど違うのか、とびっくりしました。
多分弾いていたのは小学生くらいのお子さんだと思いますが、こんな音が出せるんだ、と感心しました。
いつもこんな綺麗な音を出すことを大切にしたいと思います。