こんにちは。
横浜の堀川ピアノ教室でございます。
エルダーの新緑が美しいです。
“ピアノを習う”時・・・
振り返って見ると、それはたいてい「生徒さんが演奏して、先生がそれに対してアドバイスする」、という形になります。
アドバイス・・「もうちょっとこうしたら?」とか、
「ここは、こうした方がいいですよ」
とかいうことですね。
でも、そういうアドバイスは、どうしても、その人が弾いたものを「改める」ということになります。
もしレッスンがそればかりだったら、・・・
「一生懸命弾いたのに」とがっかりしたり、時には自信を無くしてしまう事もあります。
といっても、先生が何も言わなければ進歩も遅くなってしまいます。
では、どうしたら?
私は(よく)、恩師の言葉を思い出します。
私たち学生たとのコンパの時でした。
「お花を見てごらんなさい
タンポポにはタンポポの、
バラにはバラの、
ユリにはユリの、
美しさがあるでしょう。
人の顔も、一人一人みんな違うでしょう。
口がちょっと大きかったり、
鼻がちょっと曲がっていたり。
でも、一人一人の顔がみんな違って、それぞれに味わいがあります。
あなた達の演奏もそうです。
みんな違ってそれぞれの味があります。
私はみんなそれぞれ好きです。」
“ピアノの先生”の、この言葉に、どれほど助けられたでしょうか。
“ありのまま” でいいんだ
“精一杯自分のものを出しさえすれば、どの人の演奏もそれで素晴らしいんだ”
と感じ、自分を肯定できるようになった経験でした。
その先生の生徒達は、“この先生のために頑張りたい”、という気持ちを持ち、それが練習のモチベーションを高める事になった、という人も多かったと思います。
先生が、先に沢山言い過ぎずに、
“その人の中で、曲が熟成してくるのを待つ” という事が大事だと思います。
ただ、はじめから伝える事が大事な場合もあります。
それは、「土台となる知識や技術」の部分です。
「これだけは変わらない」と言える、基礎の部分。
これは、自分らしく表現するために、どうしても必要な「道具」のようなものです。
ピアノを始めたばかりの方ほど、レッスンでのウェイトは高いと思います。
その上で、「表現する中身の部分」。
それこそが大切なものです。
その人の中で、
”音楽が熟成していく” のを、楽しみに待ちたいと思います。