自然の風景や、生き物の姿を見ていると、何と、あるべき所にそれぞれがあるのだろうと、感心してしまいます。
ススキの原を歩いていて、フッと気がついたら足元にリンドウが・・・
春になって、土の中から緑が現われ広がってくれば、やって来る小鳥や蝶たち・・・
菜の花の茎の曲線の美しさ・・・
ピアノを弾く時も、一つ一つの音のタイミング、バランスなどに【丁度よい所が】あると思います。
そしてそれは、【曲全体の中でも調和して】いなくてはなりません。
だから、丁度よい所(音)とは、その人だけのものだと思います。
(他の人の演奏を全てそっくりには弾けませんから。)
恩師の言葉、
「桜には桜、タンポポにはタンポポの美しさがあるでしょう。人の顔も色々あって、大きい目や小さい目、ちょっと曲がった鼻があったりするでしょう。
でもその人の顔の中でちゃんと調和がとれてる。そしてどの顔もみんな味がある。
演奏も、一人一人みんな違っていて、それぞれ、その人にしか無い良さがあります。
だから私はみんなのピアノを聴いていると嬉しくなるの。」
私にとっていつも支えになっている言葉です。
それぞれの美しさ。
そして、大自然の見せてくれる美のような、“自然な演奏”ができたら、と思います。