「美しい音」ってどんな音だろう、どうやったら出せるのだろう、と長いこと考えていました。

なかなか「わかった!!」という気がしません。

でも、やっとこのごろ気づいたのは、”美しい音”というのは主観的なもの。
実は、「コレが美しい音」という決まったものがあるわけではなく、人によっての好みでも違うのだ、ということです。

また、私は一般的な美しい音とか、正しい弾き方があるのだと思って探してしまいましたが、その曲にふさわしい音とか、出したい音とか、具体的に実際の箇所で考えた方が、答えが出るのかもしれません。

生徒さんにも、
「これが美しい音よ。こんな風に弾いて。真似してね。」
という時もあると思いますが、
「どんな音で弾きたい? 考えて色々やってみようね。」
ということが大切だと思います。

結論を全部示してしまうのではなく、一緒に音を探しながら、自分で創り上げていくことの大事さ、可能性、楽しさを伝える、ということ。

作られた道をたどって行くのではなく、自分で考えて、ということは、大変かもしれません。
でも、音楽の楽しさは、この自由さがあるからこそ。
また、自分を受け入れ(未熟だと思っても)、自分の良さをみがいていこうとするからこそだと思います。
    
私がピアノを好きになるように導いてくださった先生のことを、想い出します。

その先生は、門下生一人一人を、その本人よりも受け入れ、それぞれの持っている力を信じてくださった先生でした。